Heart



龍太さんの後ろにいて見えなかったもう一人が姿を現した


「今俺がいること気づかなかったでしょ?」



「遥太さんっ」



遥太「お、良かった

名前覚えてもらえてた

おはよう、結愛ちゃん。調子はどう?」



「おはようございます、遥太さん

もうすっかり良くなりました。いろいろとありがとうございました」


遥太「うん、だね。顔色もずいぶんといい


今日の予定についてなんだけど、この後診察と検査を一通り受けてもらって問題がないようなら退院の許可を出そうと思ってる」


「……退院…」


(私は退院したらどこに行けばいいのか…)


遥太「ん?思ったより早く退院できるから驚いてる?

結愛ちゃん、検査と治療頑張ったからね」


「……」


理解したと思っていた現実をいきなり突きつけられ、不安が目の前を暗くした


私は自然と俯いていた…。


すると、俯いた私に目を合わせるように龍太さんがしゃがみこんだ


龍太「…結愛

不安にならなくていい。しばらくは俺らと一緒だ。だから大丈夫だ、安心しろ」


「……龍太さん…」


心のどっかでほっとしきっている自分が確実にした


今の私は龍太さんに頼りきっている。龍太さんがいなければ私は道しるべを失う…。


でもこの不安はただ先延ばしにしただけに違いない。いずれは龍太さんから離れなければいけない日が来る


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