Heart
コンコンコンコン…
「はい」
病室のドアがスライドされ、入って来たのは龍太さんと遥太さん
窓から入る光の加減で2人の立ち姿はまるで映画のワンシーンにも思える
(いやぁ、映えるなぁ…)
遥太「検査お疲れ様、結愛ちゃん」
「あ…、いえ、こちらこそありがとうございました」
ぼーっと2人を見つめていた私は遥太さんの声をかけられて我に返った
龍太「……ふっ…
ぼーっとしてんな…。疲れたか?」
「いえ、そんなことはないです」
遥太「ピークフローも吸入も頑張ってくれたみたいだったからね
ちょっと疲れちゃったか
でもそのおかげで結果は良かったよ
これなら退院の許可が出せる」
「良かったです
ありがとうございます」
遥太「まぁ、退院しても無理はしないようにね
それと必ず吸入器は持ち歩いて
それから──」
龍太「ったく、俺がいるから心配ねぇよ」
遥太「くぅ〜、独占欲の塊〜」
龍太「…うるせ
そんなんじゃねぇよ…」
遥太「まぁ、またなんかあったらいつでもおいで。
俺もそのうち顔出すよ」
「はい、遥太さん。
お世話になりました」