Heart


「あ、はい...」


龍太さんは自分の隣を指でトントンとして“ここに座れ”と示してくる


仁「拘束する男は嫌われるよ〜」


龍太「大きなお世話だ

結愛、このヘラヘラしたやつが柴田 仁」


仁「ヘラヘラしたは心外だなぁ〜

僕はいつも仕事ちゃんとやってるのに〜

結愛ちゃんよろしくね〜。ねぇ可愛いね〜、髪の毛さらさら〜」


ひらひらと大きな手を笑顔で振っている


(最初会った時...病室の前で会った時は、なんかこう、もっとキリっとした人なのかと思った...)


龍太「こいつには必要以上に近づくな

妊娠するぞ」


「え...」


仁「変なこと言わないでよ龍太〜

結愛ちゃんが信じちゃうじゃん〜」


龍太「本当のことだろ」


仁「ちょっと〜龍太、医者でしょ〜

医学的根拠のないことを言わないでよ〜」


和也「結愛ちゃん、こんなんでも一応、仁は黒龍っていう俺らの族の副総長なんだよ

1回だけ会ってると思うけど、覚えてる?」


「...はい.....

あの、病室の前にいらっしゃった...」


仁「そうそう〜

やった〜、覚えてもらってた〜」


和也「よくわかったね

仁、全然違うでしょ?」


(えぇ、別人かと思いました.....)


本音をぐっと抑えて黙って微笑んでおく

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