Heart
肩を強く抱かれ、軽く転びそうになりながらも小走りで龍太さんのスピードについて行く
リビングを出て、私が最初に寝ていた部屋を通り過ぎ
そのすぐ隣の部屋に入ってやっと龍太さんは止まった
上がった息を整えようとしたが、その前に私は龍太さんに強く抱きしめられた
(.............えっと.........
私は怒られていたはず.........だよね.....?)
胸を高まらせながら龍太さんの謎の行動を理解しようと頭を必死に回転させる
(ダメだ
頭がパンクしそう...........)
「ケホッケホッケホッケホッ」
静かな部屋に私の乾いた咳が響く
「っ...!!
悪い、大丈夫か?」
我に返ったようで、龍太さんは優しく私の両肩に手をおいて私の顔を心配そうに覗き込む
その声はいつも通り優しいものに戻っていた
「ケホッケホッケホケホケホッ
だ、大丈夫です.......」
息が上がって深呼吸しようとしたら唾が変なところに入ってむせただけ
「焦った.......
俺のせいで発作起こしたかと思った...
悪い.......。腕、痛くなかったか?」
「.....平気です」
身長の高い龍太さんはしゃがむと私の腕を優しく取った