Heart



「これは俺の家の家訓なんだが


“性別役割分業はするな、各々の特性を活かせ”

女だからって家事をやる必要はないんだぞ。そんな考えは浅はかだ

性別役割分業なんて産業革命の負の産物でしかないんだから」


(.......論点がジェンダー問題になってきた?)


「でもほら、龍太さんはお仕事でお忙しいわけですし.......」



「仕事は好きでやってることなんだから別にいいんだ

それに結愛にはあまり無理して欲しくない」



「私は大丈夫ですからっ...」



「とにかく、お前1人にやらせるつもりはないから」



「...................え.......」



「家事は2人でやる

無理はしないこと

守れるか?」


「はい...........!!」


龍太さんは満足そうな笑みを浮かべ私の頭に手をおいた


「それと、これ.......」


私に背を向けた龍太さんは広い部屋の一角においてあるダンボールを手にして持ってきた



「.................これは.....」


「結愛の実家から必要なものを取り急ぎ運び出して来た」



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