Heart


「っ...!!

悪い、大丈夫か?」



咳をする結愛の肩を手をおいて顔を覗き込む



大丈夫だと言って咳が無事に止まった結愛を見て心底ほっとした



(.........発作にならなくて良かった...)


だが結愛の腕が赤いことに気がつく


しゃがんでよく見れば、軽く跡になっている



“痛かっただろう?”と腕を撫でることしかできない


さっきとは対照的に不甲斐なさが募る


俺が怒ってたことが自分のせいではと結愛は謝ってきたが、十中八九結愛のせいじゃない


俺にもイラつきの原因は分からない


だが


結愛抱きしめたら落ち着いた


それだけは紛れもない事実。






住まわせてもらっているお礼に家事をさせて欲しいと結愛は言い出したが、俺的には女に家事に押し付けるような男になりたくない


引き下がらない結愛に2人でやると言い聞かせて俺は話をそこから逸らすように


部屋の角に置いておいたダンボールを手にした


このダンボールの中身は、結愛の家から持ってきたもの


今では瀬尾組が結愛の実家に目を光らせているため近寄ることを避けたい



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