Heart


結愛が使っているのだろう...


リビングの方からドライヤーの音が聞こえてくる


なんとも言えない幸福感に満ち溢れながら湯に浸かる



こんなに満たされた気分になるのはいつぶりだろうか



久しぶりに生きてるということを実感する



それなりに充実した日を送れてきたとは思うが、満たされたと思うことは片手で数える程しかなかった



結愛に会えたことが大きいのは確かだ



3ヶ月という期限を考えればあまり深入りしない方がいいのは分かっているが、どうしても気になる


それは結愛が俺が今まで探していた少女であるからだろうか



答えのないことを云々考えてもキリがない



頭を振ってバスルームを出た







リビングに戻れば結愛の姿はソファの隅っこにあった



浅く腰掛けている結愛に声を掛けようとした時に、彼女の頭がカクリと不安定に動いた



(...........寝てる...)


身体もふらふらと揺れて今にもソファから落ちてしまいそうだ


急いで近寄り身体を軽く支えてやる


顔を見ればさっき俺が感じた色気なんてものはなく、あどけなく安心したように眠っている


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