Heart
声を掛けて起こそうとも思ったのだが、こんなに気持ちよく眠っているのを起こすのも気が引けた
(.........髪の毛もちゃんと乾いてるし、このまま寝かせてやるか)
支えていた結愛をそのまま横抱きにすれば、抱き枕に吸い付くように
結愛は頬を俺の胸に擦り寄せてきた
(.......これで理性を保てることを褒めて欲しい。心の底から。)
頭の中で数式を解きながら結愛を部屋まで運び、ベッドに横たえてやる
布団を掛けてやり頭を撫でれば、結愛は幸せそうな顔を浮かべている
「.....おやすみ、結愛」
“いい夢見ろよ”と頬にキスをして結愛の部屋を出た
リビングに戻って久しぶりに酒を口に入れた
やっぱり考えることは結愛のことで。
いくら酒を入れても眠気なんてものはやってこない
冷たくなったソファに体温が吸収されていくのを感じるだけだった