Heart



リビングに行けば龍太さんがソファに座っているのを見つけた



壁に掛かっている時計の針は朝の9時を指している



(ずいぶんとゆっくりしてしまった...)



どうしたらいいのか分からずにドアの前で不審にウロウロしていると


龍太さんが少し笑って手招きをしている



「こっち座って」


急いで歩み寄り、龍太さんが座っているソファの隣に腰掛ける



「失礼します...」


「昨日の夜はちゃんと眠れたか?」


「はい、お陰様でぐっすりでした」


そう答える私の一方で龍太さんは目の下にクマを作っている


「そうか、それならいいんだ」


「あの...」


「ん?」


「.....龍太さんはお休み取れていらっしゃいますか?」


(あぁ私のバカ

こんな干渉するようなこと言っちゃダメだろ



それに龍太さんの顔ジロジロ見てたのがバレる)


「俺の心配してくれるの?」



“ありがとう”とでも言うかのように頭を撫でられる



「俺は大丈夫

クマはもともとこんなんだから」


龍太さんの心配するのは失礼かと思い、それ以上の言葉は喉の奥にしまいこんだ




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