Heart
車がマンションの前に止まった様子で揺れが止まった
すると、途端に龍太さんはドアを開けて
私の手を引いてすぐに外に出た
龍太「.............」
そのままエントランスを通りすぎてエレベーターの乗り込む
「り...龍太さん.....?
あの、大丈夫ですか?」
龍太「.............」
相変わらず返事は聞こえてこない
龍太さんがエレベーターのボタン部分に手をかざすと扉は開き
そのまま玄関に入ってから龍太さんはやっと止まった
と思いきや龍太さんに抱きしめられた。
龍太さんの突然の行動に驚きながらも、少し冷静になれば、彼の身体がほんの少し震えていることに気がついた
「少しだけ、こうさせて」
龍太さんはそう呟いて私を抱きとめながら深呼吸を繰り返している
私はそっと龍太さんの背中に手を回した
「結愛.......
幻滅した?
俺がこんなに弱い人間だって知って」
「幻滅なんて、するわけないじゃないですか
それに、ちょっとぐらい苦手なことがある方が人間らしいですよ」
龍太さんの違う一面を見れた気がして、私はすごく嬉しかった
また少し、龍太さんのことを知れた気がする