Heart
遥太「結愛ちゃん!」
遥太は結愛の肩を叩き
俺は右手を握り、反応を確認する
「結愛、俺の声聞こえたら手握りかえして」
結愛「...............ん...............................」
酸素マスクが少し曇って小さな
小さな声が漏れるようにして聞こえてきた
遥太「結愛ちゃん、頑張って」
長いまつ毛が再び震え
大きな瞳がゆっくりと薄く開かれた。
そして、握っていた手が微かに動く
遥太「意識回復.......!」
「結愛、分かるか?」
目はしっかりと開かずとも、右手は再びピクりとだけ動かされた
遥太「もう大丈夫だからね、結愛ちゃん」
「ここ病院だから、安心していいからな」
俺たちの言葉に応えるように、瞼はゆっくりと動いた
「まだ眠そうだな
いいよ、まだ眠っておいで。
話は後でしような
ずっとここにいるから、安心して眠れ」
そう言えば、結愛の瞼は吸い寄せられるように閉じていった
あどけなさが残るその寝顔は、先程よりも綺麗に見えた