Heart
「おはよう、結愛
どう?どこか辛いところないか?」
さっきまで寝ていたとは思えないくらい綺麗な顔が近づく
「.....薬の副作用で今、声が出しにくくなってると思う
だから無理に声出さなくていいから...
辛いところあったら手握り返して
頭?喉?身体全体がしんどい感じ?」
私は正直に龍太さんの手を握り返した。
「ん、わかった
.....身体全体が動かない感じか?」
再び握り返す
「わかった」
そう言って手を離すと、大きな手で私の喉や額を包みこんだ
「................熱だいぶ上がってきたな.......
今薬入れるから、ちょっと待ってろよ」
薬を取りに行こうと、私に背中を向けた龍太さんの白衣の袖を
私は咄嗟に掴んでしまった
「.....ん?どうした?」
そう言って龍太さんは掴んだ私の手を握り
しゃがんで視線の高さを合わせてくれた。
「どうした...?結愛」
子供をあやすような声色
そんな声を聞いて、私の目頭は熱くなり
瞼を閉じた時に1粒零れた