Heart
一瞬だけ後ろからぎゅっと抱きしめらたと思うと、すぐに上半身は龍太さんの腕によってゆっくりと横たえられた
「.....少し音を聞かせてくれるか?」
出ない声の代わりに首を縦に振って意思を伝える
が、どうしようもなく身体が言うことを聞かないので、パジャマのボタンを自力で外すことができない
“すぐ終わるから”と龍太さんの長い手は私の胸元に伸びボタンに触れる
極力私に触れないように注意してくれているのが、龍太さんらしい
でも、ときどき龍太さんの指先が胸元に触れて
その度に私の心臓は大きく跳ねた。
少し開けられた胸元に冷たい聴診器が入り込む
「...........深呼吸、できる?」
そう言われて私は目を閉じ、呼吸することに意識を回した
「...................ん、いいよ。結愛」
その声に瞳を開ければ、龍太さんは聴診器を耳から外すところだった
(...............龍太さんってどんなシーンでも絵になるなぁ...........)
パジャマのボタンは龍太さんの手によってテキパキと直された