Heart




カメラに映らないように慎重に紙切れを開く




『死角は1箇所だけ


場所は────────────』





“ご苦労だった”と合図を送る




(さっさと終わらせて結愛の元に行きたい.......)



そう思う俺は、今は瀬尾組の指示に従わざるを得なかった




結愛に迫る危機なんて知らずに...........。










──────
───────────
──────────────


横浜港にて─────



潮風を浴びながら携帯を片手に主と通話する者がいた────






榊『───首尾は良好、予定通りですよ...若




えぇ、そうですね.....


例の少女に活躍してもらいましょう.......


では、彼らには私の方から任務開始の合図を出しておきます.....




.........えぇ、間違いなくこれは黒崎組に弱みを握る最大のチャンスです



.......では、失礼』




プルルルル



榊『.........私です


えぇ、準備は整いました



例の少女を丁重にお連れなさい───』




通話を切った彼は黒く微笑む



その色は、海をも飲み込めるほどの黒さであった



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