Heart



私の腕には手枷がはめられている



部屋には小さな窓が登れない高さに1つあるだけ.....。



この状況下で逃げられると思えるほど、私の思考力は落ちてはいなかった



出来れば自力で逃げ出すのが理想なのだが、そんなことをする体力も私にはないように感じる



とりあえず、今は冷静なって最善を考えるしかない



ほこりっぽい空気が漂う中、落ち着かせるために深呼吸をした



その時


ガチャッ


ギィィィィィ


立て付けの悪いドア開く音が不協和音となって一室に響いた




?「お、お目覚めか?姫よ」



(...こいつは私を気絶させた張本人..............)




コツコツと音を鳴らして近づいてくる



そして私の顎をグイッと雑に掴み顔を近づけられた



男2「おーおー、いい面してんなぁ


もうさっきみてぇに怖がんねぇのか?


女なんだから、ちっとはピーピー怯えてる方が可愛いってもんだぞ」



不思議と、私には恐怖心はなかった



たぶん、私の心の中に龍太さんがいたから





龍太さんがきっと来てくれる、そう思えたから。




< 264 / 363 >

この作品をシェア

pagetop