Heart

龍太side




ランディングポイントに着いたのか船の動きはほとんど止まった




予定ではこの後ヘリが船のヘリポートについて、積荷を降ろし帰航するはずだ




(.........さっさと終わらせよう...............)




黒い海を見つめていると耳元のインカムから不愉快な声が聞こえてくる




榊「.......黒崎殿、真田殿聞こえますでしょうか?」



“あぁ...”と端的に答えてやる。不本意だが。



榊「大変お待たせ致しました...


もうじきヘリが到着致しますので、それが確認でき次第荷物を降ろし、船の出入口の近くに置いてください」




“了解した”とだけ言えば“では”と榊はインカムを切った



気が急いているせいか、俺の足は屋上に向かっていた



そんな俺に隼人がいつも以上に固い表情で近づいてきた




(.........何かあったな.............)




“どうした”と目配せをすれば隼人は合図する訳でもなくカメラの死角に向かって歩き出した




(.......監視カメラがあるところでは話せない内容か...........


緊急事態でも起こったか.......?)



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