Heart
隼人『いかがなさいますか』
黙り込んだ俺に隼人が再び手を動かした
『葉月と黒龍にいつでも動けるように待機命令を』
葉月、とは言わば俺の影武者だ
世の中には同じ顔の人間が3人いるという
葉月はその一人。
黒龍でも黒崎組の人間でも無いが、俺の指示には忠実に従ってくれる
その存在は極一部の人間しか知らない。
何かあった時のために葉月は、組の仕事の際は常に俺の近くのどこかにいる
今回も同様に、船には乗れているかどうかは定かではないが
少なくとも横浜港にはいる。
常に俺の見えないところにいるため、俺でも奴の居場所は把握しきれていないのだ
『黒龍には身バレしないように変装させろ
全身黒服且つ覆面をかぶるように指示
俺の分も用意させておけ。
桐ヶ谷を中心とした精鋭15人を至急構成
次の指示があるまで本部待機
以上』
隼人『了解』
これは、賭けだ。
そして、結愛を救うためになることを信じている
結愛が喘息の発作を起こしている可能性は十分考えられる
そうなった時に俺が必要になる
いや、行きたいんだ。
結愛の元に。