Heart
いまいち状況を分かってないようなやつもいたが、いちいち説明している時間はない
「現場で俺とは別行動になる
お前たちは奏の指示に従って攻めろ。殺しはしなくていい」
俺は雷雲の倉庫の裏口から入って結愛を救出する
こいつらには陽動として動いてもらう
「奏、頼んだからな」
桐ケ谷「承知」
俺たちは雷雲の倉庫を目指してバイクを各々走らせた
(頼む、結愛
無事でいてくれ)
─────────────
────────
────
街の外れにある、見るからに治安の悪い地区にひっそりとその倉庫は立っていた
何かの工場の跡をそのまま使ってるような作りだった
(2階建てとなると
十中八九、結愛がいるのは2階の奥の部屋だろう)
覆面をかぶった奏に手で合図を送り、行動を開始させた
突入からしばらくすると倉庫内から男たちの騒がしい怒鳴り声やらうめき声などが聞こえてきた
(.......これで雷雲の奴らの意識は奏たちに集中するな)
俺は急いで倉庫の裏に回ると2階から人影のようなものが地面に移動するのが見えた
(...........もしかして結愛か?)
淡い期待を胸に、人が降りたであろう場所に走って近づいた