Heart


龍太「無理しなくていい

そのままちょっと待ってろ」


龍太さんは私に繋がれている機械を外し、点滴台からパックを外すと、私を横抱きに軽々と抱えあげた


何度もやってもらってるが、自分では見ることのない目線まであげられることと恥ずかしさに慣れない



「あ、歩けます!自分で!」


私は意を決してそう告げた


「起き上がれんやつが歩けるわけないだろ

大人しくしてな」


「ご、ごめん…なさい」


私の頭の上からフフっと笑う声が聞こえた



私はこうしてよく分からない施設を後にした



建物から出ると、そこは閑静な住宅街だった



前には小さな軽自動車が止まってる



運転席には和也さん



黒塗りの車に慣れてしまった私は、想像外の車に少し驚いた



車から降りた和也さんにドアを開けてもらい龍太さんと私は車に乗り込んだ



再び和也さんが運転席に戻ると、エンジンをかけながら話しかけてきた



和也「ごめんね、結愛ちゃん。こんな車で」



「あ、いや、全然そんな……」



龍太「一応目立たないようにしてるだけだ

あまり気にするな」



「は、はい…」


私は龍太さんに抱えられたままで、いつ下ろして貰えるのかとオロオロしていた

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