Heart



「「「「「「「「お疲れ様です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!若!!!!!!!!!!」」」」」」」」




黒いスーツを身にまとった男たちが俺に頭を下げて花道を作ってる



「あぁ、ご苦労」



ため息混じりに答えながらその道を進む



無駄に広い玄関に入れば1人の男に正座で出迎えられた



「まさか晃(アキ)さんに出迎えられるとはな」



俺は久しぶりに会う顔に頬を緩ませた



晃「ご無沙汰しております、若」


俺のよく知っている笑い方にそっくりの顔をこちらに向けてくる



「そんな改まってやめてくれよ、晃さん」



晃「さ、奥で親父が待ってますよ」



「あぁ」


1ヶ月ぶりくらいに自分の実家に足を踏み入れる


若頭として、1ヶ月以上も本家に顔を出さないなんて異例なことだろう


まぁ、代わりに仁が全てやってくれているのだが。





晃さんの後ろについて足を進める


晃さんは俺の親父…、組長の側近で千を超える組員のトップに立つ男。幼い頃から世話になってる人、そして


晃「若、うちの倅(セガレ)はちゃんと若のお役に立ててますか?」


振り返った顔はやはりそっくり。



「あぁ、仁はよくやってくれてる」


そして、仁の父親。



「俺より晃さんの方が仁見てるだろ」



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