Heart



「今後数ヶ月様子を見た後、彼女の母方の祖父の家に引渡します」



親父「様子とは?」



ジロリとこちらの真意を問う目を向けられる



「瀬尾組との関係が完全に途切れたことを確認します」


親父「それだけか?」



「…彼女の病状も加味します」



親父「その娘に好意を抱いているのか?」



「俺は、彼女に幼少期命を救われました。特別であることは否定しませんが、彼女の人生を大きく変えるようなことはしません」



親父「わかっているならこれ以上何も言わん

瀬尾組の動きには今後も気をつけろよ」



「心得ています」



親父「この話はここまでだ


ときに龍太、2週間後に何があるか分かっているな」



「…黒崎組の全国幹部会議のことですか?」



親父「把握しているのならいい

分かっていると思うが、この会議には若頭として絶対に参加するように」



「……承知致しました」



(2週間後……


結愛の体調は戻っているだろうか…


俺がいなくても大丈夫だろうか……)



半年に1度全国の黒崎組とその配下の幹部が集う重役会議



それは1日で終わるような会議ではない



< 329 / 363 >

この作品をシェア

pagetop