Heart
少年「わかさま
ぶつかってしまって申し訳ございませんでした」
小さい背中を丸めて頭を下げる少年
俺は細い両肩を掴んだまま少年の顔を覗き込んだ
「いいから顔上げろ」
そう言えば、恐る恐る少年は顔をあげて俺と目を合わせるが、それはすぐにそらされた
「顔赤いな」
小さな額に手をやれば、やはり熱を感じるし汗もかいてる
「おい、この子は一体誰の子供だ」
俺は後ろにいた組員に尋ねる
組員「いや、この子はその…」
明らかに言いにくそうに目を泳がせる組員
「なんだ、早く言え
言えないのか?」
組員「……先日組長が引き取った子供です
小宮凪翔(コミヤ ナギト)君、11歳」
(……11歳?
この小ささでか……?)
少年は明らかにやせ細っていた
おそらく虐待から何か受けていたのだろう。
にしても…
「親父も相変わらず、人拾ってくんの変わんねぇな、しかも今回は子供だし」
親父は行き場をなくしたやつを拾ってきては、ここに住まわせて育ててる
だいたいは若い男が多いが、まさか子供もその対象だったとは