Heart


少年「わかさま

ぶつかってしまって申し訳ございませんでした」



小さい背中を丸めて頭を下げる少年



俺は細い両肩を掴んだまま少年の顔を覗き込んだ


「いいから顔上げろ」



そう言えば、恐る恐る少年は顔をあげて俺と目を合わせるが、それはすぐにそらされた



「顔赤いな」



小さな額に手をやれば、やはり熱を感じるし汗もかいてる



「おい、この子は一体誰の子供だ」



俺は後ろにいた組員に尋ねる



組員「いや、この子はその…」


明らかに言いにくそうに目を泳がせる組員


「なんだ、早く言え

言えないのか?」



組員「……先日組長が引き取った子供です

小宮凪翔(コミヤ ナギト)君、11歳」



(……11歳?

この小ささでか……?)



少年は明らかにやせ細っていた



おそらく虐待から何か受けていたのだろう。



にしても…



「親父も相変わらず、人拾ってくんの変わんねぇな、しかも今回は子供だし」



親父は行き場をなくしたやつを拾ってきては、ここに住まわせて育ててる



だいたいは若い男が多いが、まさか子供もその対象だったとは


< 332 / 363 >

この作品をシェア

pagetop