Heart


「ったく


拾ってくんのはいいが、ちゃんと面倒見ろよ


熱出してんじゃねぇか」




組員「いや、組長はちゃんとこいつの面倒見てくださってやして、昨日なんかは一緒にサッカーをしてたんですが…


今日は担当の者に任せていたようで…」




「……

凪翔、ちょっと歩けるか?」



凪翔「…ぇっと


……歩け、ます…」



「おい、凪翔の世話係のやつに医務室に来るように言え」



組員「は、はい!!

承知致しましたっ!!!!!!!!」



「凪翔、医務室行くぞ」



凪翔「…僕………

大丈夫…です………」



「いいから

着いてこい」


俺は立ち上がると先程とは逆方向に歩きだした



後ろを振り返ればチマチマと自信なさげに着いてくる凪翔


凪翔「…あ、あの……」


「なんだ」


顔を赤らめた少年に声をかけられ足を止める



凪翔「その…

若は、急いでいたのでは…」



「ガキが気なんて使うな

ガキはガキらしくしとけ」


俺は医務室に向かって足を進めた













「ほら

入れ」



奥にある部屋の扉を開けて凪翔に入るように促す


< 333 / 363 >

この作品をシェア

pagetop