Heart


ここは黒崎組の医務室



こんな仕事をしている以上、医者にかかりにくかったり、怪我するなんてことは日常茶飯事だ。



元々医務室はあったものの、看護領域のことしかできずあまり使われてなかったが



俺が医師免許を持ってからは有効活用ができており、設備も薬もだいたいは揃えられている




「そこ座って、とりあえず熱測れ」



俺は体温計を差し出すと凪翔は、差し出された物が何なのか分からない様子だった



「お前、熱測ったことねぇのか?」




凪翔はコクリと申し訳なさそうに頷いた




(どんな家で育てられたんだ…)



「…それ貸せ……


そんで上の服のボタン2つ外せ」



怯えているのか、黙って俺の言うことに従う凪翔の瞳は濁っているように見えた



「音がなるまで脇にこれ挟んでろ」



凪翔「…はい」



上から凪翔の身体が少し見えたが、骨が出ていた


(……これじゃ、メシもろくに食ってなかったな)



コンコン…



その時医務室のドアが叩かれた



「入れ」



組員「失礼します」



緊張した面持ちの声をが聞こえてくる


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