Heart


「お前が凪翔の世話係か」



組員「は、はい

自分です」


怒られると思っているのか、若干顔が青ざめている


「お前は奥で待ってろ」


組員「は、はっ!

承知致しましたっ!!」


(こいつから普段の凪翔の食生活と今日前後の様子、薬を服用したか聞きたいんだが、まずは、身体を見てからだな


こんな時和也たちがいれば何も言わなくても聞いてくれるから時短になるんだが、今日は仕方ない…)


ピピピピ……


静かな医務室に小さな機械音が響く



「見せて」


凪翔は脇から外した体温計を俺に渡す



「38.6度か

キツイな


聴診するから上の服浮かせられるか?」



凪翔「…?

はい…」


俺は凪翔が浮かせた服の中に腕をやり、聴診をあてる



「深呼吸して


ゆっくり、そう


はい次、背中」



トクントクンと規則正しい音が聞こえ俺を安心させる



(肺に問題はなさそうだ…)



「服戻していいぞ…


次、口開けて」


ペンライトと木のヘラを舌にあてる


「あーって声出せるか?」


(喉の奥に白い斑点がある

こりゃ扁桃腺やられてんな……)


「もういいぞ


痛いのは頭と喉くらいか?」



コクリと頷く凪翔


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