Heart
ガンガンと脈打つ頭は思考を遮る
私を3000万で買った側か、その人達が敵だと言っていた人側か
そのどちらかにいるのだろう。
どちらかといえば後者を望むが、たしか彼らは”組”と言っていた
どちらにせよ堅気ではなさそうだ。
とにかくここにいては…。
とはいえ私の居場所はどこにもなくなってしまったのだ
行く場所はない。
そうはいってもここで寝転がっている場合でもない
意識を失ってしまいそうなほどの激痛が走る身体を動かし
ベットから起き上がり、立ち上がる。
が、ありえないくらい心拍数が上がり
膝から床に倒れ込んでしまった。
音をたててしまったから人が来るかもしれない。
身体に鞭を打ち
這いつくばって窓を目指す
しかし体力が尽き果て、もはやその場でうずくまることしかできなかった。
「はぁはぁっ…はぁ…」
どうやら神様は私をここから逃げ出させてくれないようだ。
その時ガチャリとドアのあく音が、部屋に静かに響き渡った。