Heart
龍太side
あの日
藤山を捕まえたという一報のあとに見つけた部屋
そこには服を脱がされた少女が倒れ込んでいた。
女に興味はないが、ほうっておくこともできなかった。
隼人からは売春の情報は入っていなかったが
この少女を利用しようとしていたことは分かる。
薬を入れられているのか少女は微動だにしなかった
「おい…」
少女に近づき声をかけ揺さぶるが反応はない
うつ伏せの彼女を仰向けにすると、口から血を出し
腹部を中心に大小の傷や痣が大量に付けられていた
俺も目を背けたくなるほどに、その姿は痛々しかった。
顔を見ると傷はなく、初めて女に対してきれいな顔だと感じた。
だが
「ずいぶんと高い熱だな」
彼女は顔をしかめ息苦しそうだ。
俺は着ていたスーツを彼女に着せ抱き上げた。