Heart



「止めろ和也

結愛が困ってる」




ため息混じりで黒崎さんが和也さんを制止する




「あぁ、驚かせてごめんね


俺の事は和也って呼んでね!」




「はい…

こちらこそよろしくお願いします、和也さん」




「呼び捨てにしないと


結愛様って呼んじゃうよ?」



「???

え、?…様?

明らかにおかしいですよ」




「ん?


なんもおかしくないよ


だって結愛ちゃんは俺らの姫だもん」





「ひ、姫って…?

え?」




「余計なことを言うな和也」




「はぁーい



そうそう結愛ちゃん


お腹空いてない?」



「…少しだけ」



「俺さ、結愛ちゃんが食べれそうなの作ったから


良かったらちょっと食べない?



いいよね?龍太」




「構わん、結愛に合わせてやれ」




「じゃ、俺持って来るから!」




そう言って部屋を出て行った。





「起き上がれるか?」



黒崎さんの凛とした声が響く




「はい」





私は意を決して身体にチカラをいれる




「っっ…!…はぁはぁ…はぁはぁ…はぁ…」



痛すぎて身体が硬直し



それは叶わなかった




するとフワリと




ムスク系の匂いに包まれた



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