Heart




ニコニコと楽しそうでちょっとハイテンション




そんな第一印象の和也さん。





その彼が真顔で



いや、少し寂しそうな顔をして




私の瞳を見つめた。




「え…」





「あ、いや


なんでもない。



お皿もう下げるね」





「あ、いや、でも


まだ…」




残ってる…。




「無理して完食しなくていいよ



結愛ちゃんお腹いっぱいでしょ?」




確かにお腹はいっぱい。




でも居候しておいて



ご飯作ってもらって




それをお残しするなんて、



………





本気で申し訳ない。




でも、ここでクドクド言うのも




それも申し訳ない…










私の思考回路を読み取ったのか



“気にしないで”



とでも言うような笑顔を見せて




部屋を出ようとした彼を




引き止めた。




「っあのっ!

和也さんっ!」





「残してしまってごめんなさい



本当に美味しかったです





ご馳走様でした」




和也さんはとろけるような笑顔で





「お粗末さまでした笑



それと



俺は“和也”だよ?」




彼は長い足で部屋を後にした。



最後の…“俺は和也だよ”



…?


それは知ってるよ?



私の頭を悩ませるセリフを残して行った






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