Heart




「結愛様に何か…」




「おそらくあいつは喘息をもっている


何かしらの治療はした方がいいだろう」




「では、そのように取り計らいます」




“遥太”は俺らが世話になっている



病院の院長の息子。




世話になってると言っても表向きは至って普通の




規模のデカい大学病院だ。




遥太は俺の4つ上の26歳



院長の息子ということで



ヤツも医者をやってるわけだが



先代の黒龍の筆頭幹部だった。



俺と遥太は普通のヤツらが6年かけて学ぶ医学を




コネも使いながら4年で医師免許を取得した。




医大の学長でもある遥太の親父さんのおかげで



一般入試を16歳で受けさせてもらい、



実力で合格を手にし



そこから医大生と同じように学んだから



21様の誕生日を迎える前には医者になった。



一足先に医者になっていた遥太から



つい最近まで仕事の合間に



研修のようなものを受けていた。




だから結愛に聴診器を当てた時に



音の異変に気づいた。



検査と治療をする必要がある。




が、俺にはやるべきことがある




結愛の身の安全を確保してやること。




この家にいるのも



安全だと言いきれない。



今は遥太に任せることが最善だ



< 58 / 363 >

この作品をシェア

pagetop