Heart



仁「とにかく和也


結愛様を頼みましたよ」



和也「心得ている」



仁「隼人、我々も行きましょう」



隼人「あぁ」



2人はマンションを後にした。



組員から車の手配が完了した報告を受け




結愛様と若がいる部屋をノックした。




「入れ」




「失礼します」




診察が終わったのか



聴診器をを首に掛けながら若がこちらを向いた




「車の用意が出来ました


いつでも結愛様を病院にお連れできます」




「あぁ」



若が結愛様の額に手を置き



熱の様子を見ているようだ。



若は女に触れられること触れることを



至極嫌っていた。



近づこうとする女は



今までいくらでもいたわけだが



全てに冷徹な対応をしていた。



だから俺は初めて見る。



女に触れる若も


女を心配する若も


女に微笑みかける若も。


若は女に興味ないとばかり思っていたのだが



そうとばかり限らないと言うことに気がついた。




「…結愛、移動するからな」


深い眠りについている結愛様にそっと



起こさないように若が声を掛けた。



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