Heart
「結愛、起こして悪い
病院来たから」
「……龍…太…さん…」
少女は目を開けることすら辛そうで
すぐに閉じてしまいそうだ。
意識がはっきりとしていない様子。
「結愛、身体起こすぞ」
龍太が女の子を一度横抱きにして持ち上げ
代わりに龍太がベットに座り
片腕で少女の上半身を支えている。
力が入らないのか、
少女は龍太の腕の中でぐったりとし
龍太の身体に寄りかかっている。
いや、この子も龍太に対して凄いな。
龍太のこと信頼しきってる感が凄い。
「結愛、キツいだろうけどこれだけやらせて」
「龍太」
俺は手にしていた吸入キットを龍太に渡した。
「俺が1って言ったら息吸って
2って言ったら息吐いてな」
コクりと頷いた少女を龍太が頭を撫でている。
龍太の何もかもが優しすぎて、少し怖い。
「じゃあ、ちょっと口開けて」
うっすらと少女の唇が開く。