Heart
気が抜けように少女はすぐに意識を手放した。
龍太は横抱きにしたまま立ち上がり
病室へと向かった。
その病室は幹部ら向けの特別の個人室で大きめ。
俺は点滴と聴診器を持って後を追った。
病室に行くと
龍太が少女をベットに寝かせていた。
遥太「ちょっと音聞かせて」
龍太「あぁ」
病室が静まる
遥太「……音はあんまり良くないな」
龍太「吸入だけじゃダメだったか」
遥太「お前も聞いてみ?」
龍太「……ん
まぁ発作はとりあえず大丈夫だろ
あとは点滴いれて様子見るしかない」
遥太「ほら、点滴持ってきてやったぞ」
龍太が無言で受け取り
少女の細い腕に針を刺した。