Heart
始動

結愛side




長い長い眠りから覚めた、



そんな気分だった。




私が再び目を覚ましたのは



またしても知らない天井の下だった。




寝起きのはっきりとしない意識を覚醒させるが如く、記憶を思い起こす。



何だか最近こんなことが多い。



デジャブだな。



正直どれもあんまり記憶がない。



龍太さんに起こされて何だか苦しいことをした記憶は何となくある。



ここは病院か。


自分の腕に点滴が繋がれ色んな機械が周りにある


龍太さんは…?


今の私は龍太さんが頼りだ。



でも残念ながら高身長の黒髪さんはどこにもいない。



誰もいない部屋が居心地が悪くて




と言うか、少し怖い。




あの時を嫌でも思い出してしまう。



龍太さんの顔を見て安心したい自分がいた。



一度も会ったことのない赤の他人様のはずなんだけど、あの人の顔を見ると落ち着ける気が何となくする。



会いたい。




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