Heart
暗い廊下で分からなかったが、相手は今度こそ和也だった。
あの長身ヤローは間違いない。
和也「っおい、お前ら。
何してんだよ。」
俺と少女の前に入って、少女を守るように和也を立ち塞がる。
隼人「何してるって、呼んだのお前だろ?」
和也「確かにそうだが、時間と場所をだなぁ」
時計は21時30分を指そうとしている。
隼人「お前こそ何してんだよ。
お前はその子の護衛だろ?」
仁「…よさないか、2人とも。
結愛様がいらっしゃる…」
慌てて和也は振り返り、結愛へと視線を下げた。
和也「…起こしてごめんね、結愛ちゃん…
ベット…戻ろ」
“はい…”と小さい声を発した少女はぎこちなく部屋に入って行った。
俺は少女が寝ていたところを起こしてしまったことを知り、自責の念に駆られた。
和也は俺達を見て声を潜めて言った。
和也「…若は今救命の方におられる
戻って来るにはもう少し時間を要すると思う」
仁「了解した。
和也、お前にも情報を入れておかないといけない。
隼人、和也に情報伝達を。この隣に個室があるはずだ、そこを使え。
結愛様には俺がつく」
そう言う仁は病室に入る様子はない。
少女に対して気を使っているのだろう。
「「了解した」」
俺と和也は静かに病室の前から姿を消した。