Heart

結愛side



熱にうなされるようにして眠っていたところを病室のドアを叩く音に目を覚まし


開けたドアの先に和也さんでも龍太さんでもない長身の男性2人がいるという


何ともカオスな状況に陥り、現れた救世主和也さんにベットに行くように指示されてから


私の胸の音は高まり、眠れたものではなかった。


いや、私の置かれた現状を思えば、寝れるはずがなかった。



熱で頭がクラクラすることと若干の息苦しさ以外は何ともないのだから、私は至って健康なはずだ。


いつまでもここに居ていいわけがない。


龍太さんたちにお礼を言って、速やかに出て行くべきなんだ。


でも、動きたくても思うように動かない鉛のような軋んだ身体を恨むしか今の私にはできない。


とはいえ、ゆっくりなら歩けないわけじゃない。


今の私が行ける場所……。


お父さんの弟さんの家は…?


いや、なんて事情を説明すればいいんだ。


事情を説明せずにお世話になることなんて無理に決まっているが、その説明が出来る自信が、私には皆無だ。


そうなると、どこかの公的な施設に行けばいいのか…。


いや、その前に警察?


それこそ何て言う。犯罪者の子供ですとでも言えばいいのか。


どちらにせよ私は今、誰の子供でもないことは事実で


あの両親と無縁になった以上、その兄弟を頼るのもおかしい話だし


親に捨てられましたなんて警察に言って、今は他人のあの2人に迷惑をかけることになるのは、どうなんだろうか…。



何が正しいかなんて分からない


けど、警察に行くのが妥当か。


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