お兄ちゃん、すきです。
ブーブー
「……ん…」
マナーモードにしていたスマホが振動していた
電話が来たらしい
「ん…誰…」
私は起き上がりスマホを見た
辺りはすっかり真っ暗になっていた
何時間寝てたんだ私…
「ん、巴?」
スマホの画面には噂の友達、巴の文字が
画面をタップし電話に出た
「もしもし?巴?どうしたの?」
少し寝ぼけた声で電話に出ると
「ちょっと…!!あんた!!!テレビ見てないの!?」
明らかに焦った声の巴が電話の向こうで叫んでいた
「テレビ……?」
とりあえず暗い部屋をどうにかしようと私はスマホを片手に、電気をつける
広くも狭くもない普通の部屋。特に女子らしくもなく勉強机とベッド、白くて丸いテーブルを部屋の真ん中に起き、テレビラックとテレビを置いてるだけのシンプルな部屋
テーブルに置いていたリモコンを手にしテレビをつけた
「んーなに…」
《続いてのニュースです。本日、12時頃○○高速道路にて乗用車3台が絡む事故が発生》
つけた時にやっていたのは夕方のニュースで、人気アナウンサーの女の人がニュースを読んでいた
《この事故で1台の乗用車が大破、死亡者が2名》
「………」
《死亡したのは○○県に住まいの野々村功さん46歳と野々村幸さん43歳》
「…え」
ゴーンと誰かに頭を殴られたような衝撃が
私は持っていたスマホを床に落とし、しばらく何も考えられずにいた
《2人は近くの病院に搬送されたものの、運ばれた病院で死亡が確認されました》
ー他、重傷者が1名、軽傷者4名ー
その後の声は耳に入ってこなかった
親が死んだ
野々村功、野々村幸。どちらも私の親だ
同姓同名?そんなの絶対ない。
だってこの高速道路私達家族がいつも遠出する時に使ってるし
車だって大破してるけどわかる。うちの車だ。
え、2人とも本当に死んだの?
ドッキリ?テレビ使ってまで私を騙して?
意味がわからない。わかりたくない。理解なんてできない。
私はただただ絶望を感じていた