お兄ちゃん、すきです。
周兄という人
「周兄なの…?」
「うん。あ、やっぱりゆづちゃん?」
「そう…!ゆづだよ!…覚えてくれてたの?」
「もちろん。いやぁでかくなったなぁ。そして美人になった。一瞬気づかなかったよ」
ポンポンと私の頭を撫で笑顔で言った周兄
周兄とは、本名梶乃周平。私の母の姉…伯母の一人息子で私の10歳年上のいとこにあたる。
「もぉ。からかわないでよ」
「いやいや、割と本気で気づかなかったよ。」
「周平、ニュース見たろ?今日からゆづちゃんがうちの家族になるからね。あんまり変なまねはしないでおくれよ」
「そうか。ゆづちゃん大変だったなぁ。今日から周兄が本当の兄ちゃんだからな!たくさん甘えろよ〜」
ガシガシと強く頭を撫でる周兄
お兄ちゃんか……
「うん。…って、周兄。痛い」
「あ、わりぃわりぃ。…ほんじゃまぁ今日からよろしくってことで。俺今からバイトあるからまたな」
「行ってらっしゃい」
「バイト?周兄会社辞めちゃったの?」
「先月ね。どうやら合わなかったらしいよ。社長殴る前に辞めてきたんだと」
「へぇ…」
「全く。あの子は。なんでも1人で勝手に決めちゃって。…私達に心配かけたくなかったんだって。もう、勝手にする方が心配させるわよねぇ」
コソコソと耳元で話す伯母さん
私はただ苦笑いして話を聞いていた