お兄ちゃん、すきです。
周兄と出会ったのは小学3年の時
「ゆづちゃん、こんにちは」
「…こ、こんにちは…」
元々人見知りの性格だった私は自分の家族以外には挨拶するのがやっとだった
お母さんの後ろに隠れて小さく挨拶する
そんな私を伯母さんはすごくかわいがってくれた
そして
「おっ。ゆづちゃん来たかぁ!よしよし」
この人……周兄も伯母さんと同様、私のことをかわいがってくれた
「周兄……あの…」
「ん?どうした?」
「…あ…えっと…」
「ほら、ゆづちゃん。周平くんに遊んでもらいたいんでしょ?ちゃんと言わなきゃ」
私の頭を撫でながら母が優しく言った
「うん…周兄……あの…遊んで…ほしい…です」
「よく言ったな。よしよし。遊ぼうか」
優しく微笑んで言ってくれた周兄
よくかわいがってくれた周兄のことが小さい頃から好きだった
だからすぐに周兄に対しては人見知りもしなくなった
「周兄、勉強教えてほしいな」
「ん。どれどれ」
10歳年上の周兄はとても頭が良くて、そして優しかった
おまけに顔も良いときた。だから同級生からも、後輩からもすごくモテてた
伯母さんから聞いた話、バレンタインには大量のチョコレートを持って帰ってきてはちゃんとひとつずつ感謝しながら味わって食べて
もちろんホワイトデーには自分のお小遣いから女の子達へのお返しを買ってチョコをくれた1人1人全員に返して
告白もよくされたそう。でも好意がない相手にはちゃんと傷つかないように断って
ってとにかく人がよかった。
そんな周兄のいとこでいられることに少し、鼻高になっていた。