【短】キミ・アディクション!《番外編追加》
何気ない水曜日。
俺は少しでも一花の"理想"になりたくて、一花が言っていた通り髪を染めた。
「グレーアッシュにしたいっす」
「えー、金髪気に入らなかった?」
「似合わないって言われたんで」
「彼女に?」
「…傷口抉らないでもらえますぅ?」
冗談のような口振りでお世話になってる美容師さんに話したけれど、それは結構本心だった。
髪を染めて美容院を出ると俺は、髪色を一花に見せがてら一花の好きな人をひと目見ようと一花の学校へ向かった。
一花の高校は俺の母校だ。
見慣れていた学校のはずなのになぜかあの頃と違う学校に見えたのは気のせいだろうか。
学校に着くと、とりあえず一花にメッセージを送った。