【短】キミ・アディクション!《番外編追加》
「嘘だって。屁こいてないからそんな顔すんなって」
「え、どんな顔?」
「眉間にシワよってる。いつもの3割増しブスだぞっ☆」
「うるさいわ」
誰のせいだと思ってんの。
私は眉間のシワを左手で伸ばしながら、右手で窓を閉めた。
「千春(ちはる)~」
出かけてたお兄ちゃんが1階から、私のお気に入りのクッションを現在進行形で踏んでいるこの人を呼ぶ声が聞こえてきた。
色々言いたいところあるけど、とりあえずお兄ちゃん、友達を家に呼んだくせに出かけんじゃねえ。
ついでにお前は、友達の妹の部屋でくつろぐな。
「リビング行こうぜ」
「え?」
「一花(いちか)も行くだろ?」
なんで私もリビングに行く前提なんだよ、なんて思いながらも、二ヒッと笑うこの人の顔を見たらなぜか私は従ってしまう。