【短】キミ・アディクション!《番外編追加》
「おー千春、降りてきたか…って仲いいなお前ら」
たぶんそれはオニーサンが年上だから。
ふだんは年上って感じはしないけど、きっとどこかで私は線引きしていて、だから逆らえないんだと思う。
「別に仲良くない。むしろ悪い」
「えー、そんなこと言われたら俺泣いちゃう」
考えてもわからんからさ、誰か私にお兄ちゃんの友達との距離感を教えて欲しい。切実に。
オニーサンと初めて会った時、私は元々人見知りだからこんなふうに喋ることはなく、オニーサンもこんなクズっぷりを晒したりしてなかった。
あの日、私が部屋でスマホゲームをしていたら不意に扉が開かれて、知らない男の人が立っていたのだ。
『あっ、ごめんね。部屋間違えちゃった』
今のオニーサンの印象とはかけ離れた、爽やかな印象を持った。