シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
「だって私も悠斗も悠希くんのご両親にたかることになる。それは嫌だったの。そんな悠季くんを父親として私も悠斗も認めたくなかったし。あれから連絡なかったからあきらめたのかなって思ってたの。だから悠季くんがホテルを蹴ってイエロードットに入社したのを知ったときは驚いたもの。ご両親に怒られなかった?」
「別会社に入社したいって言ったときは驚いてたよ。でも悠季の人生なんだから後悔しないようにやりなさいって背中を押してくれた。ただし、条件付きだったけど」
「条件?」
「サトーホテルズを離れている間は一切の援助をしない、年に一度は顔を見せること。それから……」
「それから?」
悠季くんは私の後頭部を押さえて、再びキスをする。そして耳元でその条件を囁いた。
「え?」
「ダメ?、早百合さん。僕もそろそろ考えないといけない年齢になったんだ」
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