シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
カフェの経営は順調で、一年は瞬く間に過ぎた。
そんなある日、悠斗がプリントを差し出した。三者面談だ。悠斗はもう、中学3年生、そろそろ志望校を絞らないといけない。
『行きたい高校はあるの? お金なら気にしないで。私立でも大丈夫よ』
『ホント?』
『悠季くんから悠斗の養育費は預かってるから。開業するのにそのお金は手を着けてないし。だから……』
『母さん、ユーキくん……僕の父さんってどんなひと? ずっと聞きたかったけど……聞いちゃいけない気がして。でも知りたいんだ。ぼくのルーツだし。教えて?』
私はためらった。親の色恋話なんて子どもには気色悪いんじゃないかって。でも私は悠季くんを私なりに愛していたし、今も愛していることに変わりはない。そしてその悠希くんとの間に生まれた悠斗を大切に思っていることも。
今はぐらかしてもいつかは悠斗の葛藤と対峙するときは来る。私は覚悟を決めた。
納品先で出会った場面から私は悠斗に告げた。そこで開かれたパーティー、夕刻のデート、夏休みに初めてしたこと、クリスマス。妊娠、出産。時折、悠斗は顔を赤くしてうつむいた。
それでも私はまっすぐな話を悠斗に傾けた。学生の悠季くんと結婚をためらったことも、悠斗が小学生のとき迎えに来てくれたときに断ったことも。
ひと通り話し終えても悠斗はずっとうつむいたままだった。太ももの上で拳を握りしめ、考え込んでいた。
そんなある日、悠斗がプリントを差し出した。三者面談だ。悠斗はもう、中学3年生、そろそろ志望校を絞らないといけない。
『行きたい高校はあるの? お金なら気にしないで。私立でも大丈夫よ』
『ホント?』
『悠季くんから悠斗の養育費は預かってるから。開業するのにそのお金は手を着けてないし。だから……』
『母さん、ユーキくん……僕の父さんってどんなひと? ずっと聞きたかったけど……聞いちゃいけない気がして。でも知りたいんだ。ぼくのルーツだし。教えて?』
私はためらった。親の色恋話なんて子どもには気色悪いんじゃないかって。でも私は悠季くんを私なりに愛していたし、今も愛していることに変わりはない。そしてその悠希くんとの間に生まれた悠斗を大切に思っていることも。
今はぐらかしてもいつかは悠斗の葛藤と対峙するときは来る。私は覚悟を決めた。
納品先で出会った場面から私は悠斗に告げた。そこで開かれたパーティー、夕刻のデート、夏休みに初めてしたこと、クリスマス。妊娠、出産。時折、悠斗は顔を赤くしてうつむいた。
それでも私はまっすぐな話を悠斗に傾けた。学生の悠季くんと結婚をためらったことも、悠斗が小学生のとき迎えに来てくれたときに断ったことも。
ひと通り話し終えても悠斗はずっとうつむいたままだった。太ももの上で拳を握りしめ、考え込んでいた。