シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
失敗したかもしれない、そう思ったとき、悠斗は顔を上げた。
『ぼくにお父さんはいないって思ってた。けど、本当はいるんだね。ただ一緒に住んでないだけで。母さんありがとう、話してくれて。進学先はちゃんと考える。でもお金の心配はさせたくないから公立にする。大学にも行きたいし』
『わかった。母さんも悠斗のやりたいことを応援するから遠慮はしないでね』
うん、と悠斗は力強くうなずいた。
子どもだと思っていたのに、自分の進路を考え、先を見据えている。
そして宣言した通り、悠斗は公立高校に進んだ。
★★★
*―*―*