シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
§約束
☆ gentle kiss
*―*―*
☆☆☆
“40歳になったらサトーホテルズにもどるっていうのが3つ目の約束”
耳元でささやかれた言葉に衝撃を受けた。背中がぞくりとした。冷えていくのが分かる。
また、悠季くんが手の届かないところへ行ってしまう。
やっとここまで近づいたのに。
悠季くんの顔を見つめる。いつものように優しい笑みを浮かべていた。
「どうしたの、早百合さん。僕が死んじゃうみたいな顔して」
「だって」
「いつでも会えるよ、東京にいるんだし」
「じゃあ、約束を守るの?」
ちゅ。
唇に当てるだけのキスをされる。私の心をなだめるように。そして私の問いに肯定するように。
「ずっと迷惑かけてきたからね。父にも兄さんたちにも」
「そうだけど……」
「業績も好調で海外に進出してからは兄たちだけでは手が回らないんだ。兄さんたちがまともに家に帰れるのは週の半分。家族からブーイングらしいんだ、単身赴任してるみたいって。甥姪たちもまだ小さいしね」
「え。じゃあ、すぐもどるの?」
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“40歳になったらサトーホテルズにもどるっていうのが3つ目の約束”
耳元でささやかれた言葉に衝撃を受けた。背中がぞくりとした。冷えていくのが分かる。
また、悠季くんが手の届かないところへ行ってしまう。
やっとここまで近づいたのに。
悠季くんの顔を見つめる。いつものように優しい笑みを浮かべていた。
「どうしたの、早百合さん。僕が死んじゃうみたいな顔して」
「だって」
「いつでも会えるよ、東京にいるんだし」
「じゃあ、約束を守るの?」
ちゅ。
唇に当てるだけのキスをされる。私の心をなだめるように。そして私の問いに肯定するように。
「ずっと迷惑かけてきたからね。父にも兄さんたちにも」
「そうだけど……」
「業績も好調で海外に進出してからは兄たちだけでは手が回らないんだ。兄さんたちがまともに家に帰れるのは週の半分。家族からブーイングらしいんだ、単身赴任してるみたいって。甥姪たちもまだ小さいしね」
「え。じゃあ、すぐもどるの?」