シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
§ドレスに祈りを、願いを
☆ engel kiss
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☆☆☆
閉店後の片づけをして軽くシャワーを浴びた。布団にもぐるとシーツがひんやりとして、まもなく冬がやってくるのを実感した。
悠季くんから悠斗に会いたいと打ち明けられたのは9月。
その返事を伝えたのは10月。悠季くんは喜んだ。レストランを予約するから日にちを決めようと革の手帳を取り出した。ちょうどこのビルのメンテナンス工事があって臨時休業する日に会食を決めた。
そして今日。11月も半ばを過ぎた。悠季くんはサトーホテルズグループにもどると私に告げ、話は途中で終わってしまって。
悠季くんと離れたくない……私の気持ちは宙に浮いたままだった。
会食の日は近づいている。
きっとそれを最後に悠季くんは私から離れるつもりだ。
だから悠斗と会っておこうという段取りをつけたに違いない。
悠斗はどうするだろう。
悠斗は父親がサトーホテルズグループ総裁の三男だと知っている。今は違う会社に勤めているけれど、ホテルズグループにもどると知ったら。
父親についていく、と言うだろうか。
そしたら、私はひとりぼっちになる。
なかなか寝付けない……。
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