キス・イン・ザ・ダーク
カードで支払いを済ませて、砂夜に手を差し出す。
この手をとるもとらないも、彼女しだい。
俺の目を見つめたままファム・ファタールを飲み干す砂夜。
細い指が、俺の手のひらに触れた。
「マスター、ご馳走様。……また来るよ」
「またのお越しを、お待ちしております」
ゆっくりと頭を垂れるマスターを背中に、俺たちは初めて一緒に店を出た。
キス・イン・ザ・ダーク。
冗談だったのか、それとも本気なのか。
それは、俺たちだけの秘密だ。
この手をとるもとらないも、彼女しだい。
俺の目を見つめたままファム・ファタールを飲み干す砂夜。
細い指が、俺の手のひらに触れた。
「マスター、ご馳走様。……また来るよ」
「またのお越しを、お待ちしております」
ゆっくりと頭を垂れるマスターを背中に、俺たちは初めて一緒に店を出た。
キス・イン・ザ・ダーク。
冗談だったのか、それとも本気なのか。
それは、俺たちだけの秘密だ。