キス・イン・ザ・ダーク
「来てたのか」


「ええ」


俺の席の隣。


黒髪のきれいな女が真っ赤な唇で微笑んでいる。


名前は砂夜。


苗字は知らない。


彼女も、この店の常連客だ。


フィリップモリスに火をつけて、「いつものを」とマスターに注文。


程なくしてヴェスパーが供された。




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