バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
第四章
初めて彼を認識した時に私が恐れていたのは、ヴァンパイアの彼じゃない
あの人以外の人を愛してしまう予感がしたからだ
大切な人が過去になりそうで怖かったし、新たに目の前の彼に惹かれる自分が嫌だった
でも、私の恐れなんかとっくに心は飛び越えて彼に惹かれてしまっていた
私の気持ちなんてお構いなしに現実は色んな新しいものがどんどんやって来て、たくさん思い出が出来てく
否応なしに色んなものが思い出になって、そしていつしか彼を愛してしまっていた
私はズルいから彼を縛っていた
でも、愛してしまったから、本当に愛してしまったから愛する人の幸せを一番に心から願う
だから自由にしてあげるのが一番だと思った
彼は何だってできるし、どこへだっていけるから
彼の幸せを願ってやまない
早く自由になって本当の心で生きて
早く気付いて、本当の貴方に
私の心の寂しさなんて彼のことを思えば何でもない、むしろ喜ばしいことだ
子供と一緒で愛してるから生暖かいことなんてしない、
本当に彼のためになるようにちゃんと突き放さないとー